ブルーオーシャンでしか泳げない

日本とアジアで展開中のブランド「1carat」のCEO。 創業25年のデザイン会社主宰。撮る・歌う・弾く。

独占という名のブルーオーシャン

 

 この過去記事からの続きです。

pants-gaku.hatenablog.com

 

そのビッグニュースとは・・・。

 

ドラマーなら誰でも知っている【 テリー・ボジオ ( Terry Bozzio ) 】。

彼がDWの専属契約アーティスト ( 業界用語ではエンドーサーという ) になったのだ。

 

そのドラム業界的BIGニュースは、本当に突然舞い込んできた。

 

「社長、千載一遇のチャンスです!カラー広告打ちましょう!」

この機会を逸す理由はない。

 

雑誌の広告コスト、しかも「カラーで全面」は決して安いものではないが、

" テリー・ボジオで広告を打つこと = 爆発的な売上をあげられる "

このことを約束されたようなものだ。

 

その頃も、雑誌広告は出すには出していた。

しかしそれは「モノクロ」で、売上を予測しながらページを占める面積を決めるという極めて現実的なもの。それはそれで必要だと思うし、理にもかなっている。

ただ、今回に関してはまったく事情が違うのだ。

 

経営者というものは「お金」を使うことを躊躇する。

この時はまったく理解出来なかったが、今はその時の社長の「葛藤」がわかる。

 

「売上は、口座に入金されて初めて信じられる」からだ。

 

しかし私は、この千載一遇のチャンスをどうしても活かしたかったのだ。

もし売上が広告コストを凌駕できなかった暁には「自分が責任を持つ」という " デカイ口 " を叩いて、社長の首を何とか縦に振らせた。

あの時の社長の顔は今でも忘れられない (笑)。

 

 

ここでのブルーオーシャン・ポイントは・・・

 

◎ DWと販売独占契約 ( エクスクルーシブ契約 ) を結んでいたこと

受注生産品は、商品がそれほど出回らないため並行輸入がしづらい。

よって、このブランドの国内ビジネスに限っては独占的だ。

 

これを " ブルーオーシャン戦略 " と大きい声で言えるかどうかは微妙だが、そのブランドの人気が集中すれば、間違いなく市場を独占出来る「仕組み」は持っていると言える。

 

ただ・・ここだけの話・・・「爆発的に売れる」とは言い切れない本音も実はあった。

だって売ってみないとわからないでしょ(笑)。

 

さぁ、結果を出さないとね。今度は私が格闘する番だ。

ボジオの宣材写真と共に「超限定入荷だぜ。この機会を逃したら半年は入荷しないぜ。」と、全国の販売店にアナウンスしまくった。

 

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DW EDGE® Snare drum  copyright Drum workshop
実際のテリー・ボジオモデルは、ブラックサテンオイルフィニッシュ。


当時の実勢価格で20万円もする「スネアドラム」は、入荷予定数を遥かに超える注文を受けた。

カラー広告の威力もまざまざと知った。

雑誌の発売日に電話が鳴り止まなかったのだ。

私の「ドヤ顔」は、社長をはじめ、同僚たちにも相当ムカつく感じに映っただろう(笑)。

 

そして私の「退職願」は、無事ゴミ箱へと葬り去られたのだった。

 

それじゃあ、また。