焦がしと寝かしが重要
ボロネーズと言われ始めたのはいつからだろうか。
私は幼少の頃からの呼び方、「ミートソース」とついつい呼んでしまう。
自分の店でカッコつけちゃって、イイ感じで言おうものなら、「こちら、みーと・・・ぼ、ボロニェーゼでございます」とカミカミだ。
前記事に登場した " がんがん石 " でも、やはり「ミートソース」と書いてあった。
ちなみに「ボロネーズ」はフランス語で、イタリア語では「ボロネーゼ」。
そのまんま " ミート ( 肉 ) のソース " のことを意味しているのだ。
だが、今日はミートソースでいこう。
「クックパッドとかに書いてあるからいいんじゃない?」
という声も聞こえてくるが、私のソレはちょいと手間がかかる。
だが、その分グッと美味しくなるので興味のある方は、作ってみて欲しい。
私の料理は「分量」が適当だ。しかし大体でも、愛情と " 味覚の想像 " で意外と旨くなる。
もちろん初めての料理で「美味しく」作ろうなんてのは愚の骨頂なので、何度かの失敗は覚悟して欲しい。
男性は往々にして「量る」のが苦手。
ご多分に漏れず、私もその類だ。
たまにパンも焼くが、小麦粉とかを量るのがすごく面倒。
まぁ、美味しい物を食べるには、それなりの「通過儀礼」っていうのは必要かとは思うが。
まず旨いミートソースは3つの要素を用意することを考える。
◯トマトソース
◯野菜
◯ひき肉
この3つだ。
これを別々に作って最後に合わせたほうが旨いのだ。
以下は《3-4名分》の分量で記載することとする。
◯トマトソース
市販のトマト缶を使うのだが、もし拘る場合は「ダッテリーニ」という品種のトマト缶を使ってみて欲しい。高いだけあって、1缶100円程度のものとは確実に味が変わる。
こいつを手で潰す。
にんにくを3片くらい擦り下ろしたものを入れ、そして1缶分同量のミネラルウォーター (硬水)を入れ、水分が少なくなるまで煮詰めておく。
但し、カピカピになるまでやっちゃだめよ。
ま、無ければ水道水でも。
◯野菜
玉ねぎは2タマ、にんにく5-6片、人参1本、セロリ1本(茎)、をフードプロセッサーでみじん切りにして、オリーブオイルと1片のバターで、15分程度炒める。
最後に砂糖を大さじ2程度入れて、手前で焦がしながら混ぜていく。
(私は波照間の粉末黒糖を使う。味が抜群に良い。)
◯ひき肉
牛とか合い挽きは高いから、豚ひきで良い。むしろ豚のほうが美味かったりする。
2人前で300gくらい ( スーパーで売ってる1パック分 ) 。
少量のオリーブオイルをひき、パックの形のままフライパンに投入。
ブラックペッパーを軽く振りつつ。
だが・・・ここで「混ぜ混ぜ」しない!
焦げ目が付くまでそのままが鉄則だ。
この焦がしが旨味を引き出すのだ。
中強火で、時間にして5分放置する。
ちょっと覗いて焦げ目が付いていたら、ひっくり返す。
同じく5分放置。
ここで初めて「混ぜ混ぜ」が許されるのだ。
肉の塊も大きさはマチマチでOKだ。
肉の粒を一つ一つバラバラにする必要はない。
デカイのがあったり、小さい片があったり。
この方が、むしろ食べごたえがあるソースに仕上がる。
それぞれに仕上がった【◯トマトソース◯野菜◯ひき肉】。
この3つを、やっと1つに合わせる。
どんな鍋でも良いので、入れてゆっくり混ぜ合わせる。
塩分はこの時点で味見をしながら、粗塩を少しづつ投入する。
「ちょっと薄いかな」くらいでOK。
弱火で煮込みながら、水分が少なくなったら火を止める。
是非、ここで一日冷蔵庫で寝かしたい。
カレーの要領と同じだ。
いよいよパスタの登場だ。
適当に塩をいれた「硬水」(これも水道水で可) で、パスタの推奨茹で時間より、2分程度短めに茹でる。( 8分と書いてあったら6分で )
その間フライパンを用意し、ミートーソースとオリーブオイル (大さじ6杯程度) 入れる。オリーブオイルとミートソースはなじませるのだが、ここで茹で汁を大さじ3杯くらい入れて「乳化 ※水分と油が混ざり合った状態」させておく。
この「乳化」。
とても重要なので是非。
一応塩分をチェックして、好みに調整する。(少し濃い目の味付けがオススメ)
パスタが茹で上がったら、フライパンにダイレクトイン。
湯切りは、特に神経質になる必要はなし。
強火でソースと20秒程度、煽りながら炒めたら完成です。
「望月。世界で一番美味しい組み合わせって、知ってるか?」
がんがん石の「足立さん」が突然言った。
もちろん高校生である私が、知るわけがない。
「ミートソースと納豆だよ。」
ひー。まじか!
「これに野沢菜があったら、もう最強だ。」
足立さん。
実はあなたは今頃イタリアにいて、イタリア人たちに「ボーノ」とか言わせちゃってるんじゃないんですか?
それじゃあ、また。